7月15日に開催された WWFジャパン ・ d-labo 共催セミナーセミナー
「奄美の森の動物たち -そのユニークな生態と直面する危機-」の
Q&Aをご紹介します。
参加者の方々からの活発なご質問、意見交換であっという間に時間が経ち、
終了後のアンケート用紙にも、みなさんびっしりと感想を書いてくださました。
質問もありましたので、ご紹介いたします。
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Q.奄美の自然は誰が守り、受け継いでいくべきとお考えですか?
A.奄美大島の動物たちからすると、しっかりと守ってくれれば、誰でもいいわけですが、
やはり親や家族のような、愛情を持ってずっと見てくれる人による行動が一番安心できる
でしょう。そういった意味では、地元の方々の関わりが、将来の奄美の自然の存続を左
右するといってもいいかもしれません。地元に自然を守るしっかりとした基盤ができれば、
持続的に守ることもできますし、外からのサポートもいつでも受け入れられる体制にもな
りますから、長く広く奄美の自然を守る活動が受け継がれていくのではないかと思いま
す。
Q.奄美以外の人間が奄美の自然を守りたいと考えた場合、なにができるのでしょうか。
資金面以外で教えていただきたいです。
A.まずは、奄美で何がおきていて、どんな活動が現在実施されていて、どんなことが必
要かを自分の実感として持つことが、今の熱意を行動に移す最初のステップとして重要
だと思います。きっかけとしては、例えば希少生物の調査に参加してみるのがいいかと
思います。このような調査はいくつかあり、HP等でも情報を得ることができます。これらの
調査では、地元で中心的に活動している方々や、本州からボランティアで参加している
方や学生など同じようなモチベーションを持った方と知り合うことができますので、自分に
何ができるかが見えてくると思います。
Q.亘さんがなぜ奄美に視点をおかれているのか伺いたかったです。
A.奄美大島の自然に魅了されたことと、一方で外来種や開発の問題で、奄美の動物
達が消滅の瀬戸際にあったタイミングだったため、自分が研究をすることでひとつの生
態系が守れる一助になれるのではないかという大きな醍醐味を感じたからです。もう
ひとつは地元の方々が、いつもあたたかく受け入れてくださる心地よさもあります。
Q.クロウサギの子供は巣穴を埋められて窒息しないのか?空気穴はあるのでしょうか?
A.私ではわからなかったので、アマミノクロウサギを長年研究している山田文雄氏に
回答をお願いしました。
--------------------以下、山田文雄氏の解説----------------------
クロウサギの育児用の巣穴は,母親が出産前に掘り,巣穴内に子供を出産します.
生後4-7週間ぐらいまでは,母親は授乳が終わると,子を巣穴内に入れて,巣穴の入り
口を土で埋めます.クロウサギの子は,未熟児で生まれますので,保温と外敵からの身
を守るために,巣穴内で過ごす必要があります.巣穴は横から見るとフラスコのような形
をしていて,膨らんだ奥の所に敷物(植物とか母親の体毛)を敷き,そこで保温されて
過ごします.
巣穴の入り口が土でふさがれても,空間が十分にありますので,窒息はしません.
子ウサギのにおいが外に出ないように空気穴はあいていません.
母親は通常夜に1度巣穴に来て,巣穴のふたの土を除去して,授乳します.授乳が
終わると,土でふたをして去ります.子供が成長すると,体毛も生えそろい運動能力も
発達するので,母親は巣穴のふたをしなくなります.マングースが出入りした巣穴は,
土でふたをしていませんでした.
-------------以上----------------------------------
Q.マングース・バスターズの方たちは、バスターズを本職としているのですか?ボラン
ティアもあるのですか?
A.奄美マングースバスターズはみなさん本職で、月~金で仕事をしています。業務は
罠の設置や見回りのほか、罠の補修や在来生物の回復調査など多岐にわたっていま
す。また、自然観察会や展示などを行って環境教育にも力を入れています。メンバーは
島内と島外出身の人が半分くらいで構成されています。バスターズのみなさんのすごい
熱心な仕事振りには頭が下がります。
Q.子供のころ、アマガエルを飼っていたのですが、自分の体の大きさと同じくらいの虫
を食べて次の日死んでいました。餌を間違えて食べて死ぬこともあるのですか!?
A.あまりにも大きい餌を間違えて食べて死んでしまうことがあるかどうかは、ちょっとわ
かりません。知人に聞いたところ、ヒキガエルが大きい金魚をくわえたまま死んでいたと
ころをみたことがあるという同じようなケースを聞きましたが・・・申し訳ありませんがな
んともいえません。通常、カエルは餌のように動くものは何でも食いついてしまう習性が
ありますが、異物を飲み込んだ場合の対処法として胃ごと吐き出して異物を排出する
という行動をとります。ただ、ご質問のケースは異物ではなく、餌ですからね。ちなみに、
カエルの中には自分より大きい餌を食べているところがよく観察される種類もいます。
この場合は餌全体を一度には飲み込めないのですが、餌をくわえたまま、胃に到達し
た部分から徐々に消化して食べます。
Q.住民の自然保護への取り組みについて:地元の環境を知る、と言っても安易に野
生生物の生息地に踏み込むことはできないと思います。自治体や学校などによる環
境教育を充実させるのが望ましいと思うのですが、どのように行えばよいでしょうか?
A.現在奄美大島では、学校教育でも地元の自然や外来種問題に関する授業が徐々
に増えている段階で、若い世代を中心に地元の自然を守りたいという意識が高まりつ
つあるといいう実感はすごくあります。オリジナルの教材なども充実してきました。これ
には、地元のいくつかのNGOも関わっていますし、地元行政や環境省なども力を入れ
ています。熱意ある多くの個人の方の協力もありますし、研究者も、博物館での展示
やシンポジウムの開催などを通して、啓発活動にたずさわっています。ただ、ここまで
来るには、みんなが手探り状態の中で、アイディアを出し合いながら、数多くの活動が
徐々に実を結んでいったという経緯があります。ですので、一言で回答することは難し
いですが、とにかく自然のこと、自然と人間活動のかかわりや軋轢などの現状を知る
ことが重要だと思います。
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AH